2010年の「厚生労働白書」では、男子の生涯未婚率が初めて20%を超えた。さらにこの傾向は続く見込みで、2030年には男性の生涯未婚率が29.5%、つまり「3人に1人が生涯独身」という状態にまで増えると予測されている。
しかも、国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」(2012)によると、86.3%の未婚男子が「いずれ結婚するつもり」と答えている。「結婚はしたい。でも結婚できない」人が生涯独身者の大半を占めているのだ。
「2010年の『厚生労働白書』で、最も注目すべきポイントは30代前半層の男子の未婚率がほぼ5割近くにまで達したことです。『2030年、3人に1人の男子が生涯独身』なら、現在30代前半の独身男子は、3人のうち2人が生涯未婚に追い込まれる計算になりますから、これは深刻な問題です」(経済アナリストの森永卓郎氏)
今、30代前半の独身男子が結婚しようと思っても、実際に結婚できるのは3人にたった1人。どうして結婚はこんなにも大変になってしまったのか。ファイナンシャルプランナーの大竹のり子氏は、その理由のひとつに専業主婦になりたがる20~30代の独身女性が増えていることを挙げる。
「昔は夫が普通にサラリーマンをしていれば、妻は専業主婦でいることができました。でも現在の日本の経済状態で専業主婦ができるのって、ほんのひと握りの富裕層にしか許されない現実がある。ほとんどの家庭は妻も働かないとやっていけないわけです。だからこそ、女性の専業主婦への憧れが高まっているのだと思います」
前出の森永氏も、こう指摘する。
「日本は、なまじ“終身結婚制”的な考えがあったので、女性の配偶者を選ぶ基準が異常に高いんです。僕のゼミの女子学生は皆『普通の人でいい』って答えるんです。ところが、掘り下げて話を聞くと、『年収500万円くらいで、スポーツマンで、清潔で、年に一度は海外旅行に連れていってくれて、家事も育児も分担してくれて……』と、おまえら、いいかげんにせーよ、ってぐらい現実離れしている(苦笑)」
そんな女子学生たちの意見を裏付けるようなデータがある。総務省「就業構造基本調査」(2007)の「年収別、配偶者がいる割合」を見ると、年収が高ければ高いほど既婚率が上昇していることがわかる。ちなみに20代後半で年収1000万円以上の男子の既婚率は72.5%で、年収100万円以上149万円以下が15.3%。平均的年収の300万円台ですら、3割程度に留まっている。
個々の女性たちにはさまざまな結婚観があるだろうが、データ上は「年収こそが結婚の条件」とはっきり示されている。男子の選択肢は、死に物狂いで年収を増やして婚活するか、生涯独身のまま生きるしかない?
(取材・文/鈴木英介)
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